どうも!管理人の免疫大魔王です。
当サイトを見て頂いているあなたは、何らかのアレルギーでお悩みではないでしょうか?
今、当サイトにきて頂いているあなただけではなく、近年の日本ではアトピー性皮膚炎や花粉症、アレルギー性喘息などのアレルギー疾患が急増しています。
また、最近よく耳にするようになった、免疫細胞が暴走して脳の細胞を攻撃してしまう難病の「多発性硬化症」など、免疫に関する疾患が急増しています。
ただ、その反面、日本の健康な腸内細菌にアレルギーなどを改善するヒントがあることもわかってきています。
今回は、あるNHKの番組を見た感想を述べながら、食生活によるアレルギーの改善方法をお話していきます。
Contents
驚き!健康の秘訣は腸が握っている

腸と免疫の関係
2018年1月14日放送の【NHKスペシャル「人体」万病撃退!”腸”が免疫の鍵だった】では、タモリさん、山中伸弥さんのW司会で、米メジャーリーグで活躍中の田中将大投手、女優の小島瑠璃子さんをゲストに迎えて、「腸と免疫の最前線」に迫りました。
野球の本場、アメリカメジャーリーグで活躍中の田中将大投手。
なんと彼は、プロ野球選手になってから丸10年、風邪や食中毒などで試合を休んだことが一度もないとの事なのです。

普通、スポーツ選手と言えば、一般の人たちよりも風邪をひきやすいとされています。特にハードなトレーニングの後などは、免疫力が下がりやすいとされています。
免疫力の高さを決めるのは腸内環境です。
腸は、ただ単にウンチを作る臓器ではありません。
口から入ってくるさまざまな栄養素を消化、吸収して、余分なごみを体外に排出する働き意外に、体内に侵入してくる外敵、いわゆる有害なウィルスや病原菌から体を守る「免疫細胞」が集結しています。
腸に存在する免疫細胞の割合はなんと、体の全体の約7割を占め、特に小腸は免疫をつかさどる器官とされています。つまり小腸が元気に働いているかどうかで、病気にかかりやすいか、そうでないかが決まるといっても過言ではありません。
特に、小腸(空腸と回腸)の中には「パイエル板」という絨毛が未発達な部分があります。
皆さんも、小腸の内側には絨毛が多数存在していて、表面積が大きくなっているのはご存じかと思います。しかし、絨毛は空腸と回腸に一様に分布しているのではなく、パッチワーク状に絨毛が未発達な場所が点在しています。絨毛が未発達な部分をパイエル板と呼びます。

出典:カルビー 研究開発本部 http://www.calbee.co.jp/rdde/library/academic_meeting_report_28.html
パイエル板の役割は、言ってみれば全身から寄せ集めた免疫細胞の戦闘能力を高めるための「訓練場」のようなものです。
パイエル板の表面には、腸内に入ってきている様々な細菌やウィルス、食べ物のカスなどいわゆる異物をわざわざ腸壁の内部(つまり体内)に引き入れるための入り口が用意されています。
引き込んだ異物をパイエル板に密集する大量の免疫細胞に触れさせて、人体にとって有害かどうか、また攻撃すべきものなのかを学習させているのです。
パイエル板で戦闘能力を高める訓練を受けた免疫細胞は、血流にのって、全身に運ばれます。
そして、体のいろんなところで攻撃すべき病原菌やウィルスを見つけると、チームプレイで攻撃をしてやっつけます。
当サイトの他の記事でもすでにご紹介済みですが、どんなに健康な人でも、1日に約5000個のガン細胞が誕生していると言われています。
でも、1日に5000個ものガン細胞が発生していたら誰もがガンに罹ってしまいますよね。
全員がガンに罹らずに済んでいるのは、いろいろな免疫細胞の働きおかげなのです。腸はまさに全身の「免疫基地」です。田中投手が風邪や食中毒で休むことなく活躍しているのも、強い免疫細胞を持った、強い腸の賜物でしょう。
免疫とアレルギーの関係
医学博士の藤田紘一郎先生は、私たち人間の腸内にいる腸内細菌は、自身の著書の中で、約3万種、1000兆個と言っておられます。腸内細菌がいるお蔭で人間は進化してきたと言われています。
腸内細菌は腸内の免疫細胞を元気にする作用を持っています。
ところが近年、免疫のことで困った減少が起きています。
いま世界中、特に先進国で急増しているアレルギーや自己免疫疾患。
本来であれば体を守るように訓練されているはずの免疫細胞が暴走し、攻撃する必要のないものまで攻撃してしまっています。
特に春先から増えてくる花粉症なんかは、本来はなんの害も無いスギ花粉などの花粉に対して反応してしまい、止まらない鼻水、咳、涙から始まって、もっと悪化しますと、「風邪をひいたんじゃないの?」と思ってしまうほどの発熱などの症状は本当に難儀です。

今回見た番組の中の実例は、ちょっと従来ありがちなアレルギーとはかなり違う強烈なインパクトを与えられました。
番組の中で取材した22歳のアスリートは、4年前に突然、命にかかわるほどのアレルギー症状を発症し、何度も生死の境をさまようような体験をしたのです。
また、今日本でも急増している「多発性硬化症」で、多発性硬化症の原因は、ある特定の腸内細菌にありました。
番組の中で取材された22歳のアスリートの女性が罹った重症のアレルギーと多発性硬化症の両方に共通しているたものとは、「クロストリジウム菌」と呼ばれる腸内細菌が不足していたようなのです。
クロストリジウム菌とは
ボクも長い間、腸内細菌に関する記事を書いていますが、クロストリジウム菌という名前の菌を聞いたのは今回が初めてでした。
クロストリジウム菌は厳密な呼び方をしますと、「クロストリジウム属」と言って、腸内細菌の仲間では一番大きな分類になります。
クロストリジウム属は、真正細菌の一属であり、偏性嫌気性(増殖に酸素を必要としない生物)で芽胞を形成するグラム陽性の桿菌です。特徴は酸素のあるところでは、増殖は出来ません。
クロストリジウム属に属する菌にはさまざまな種類があり、人間にとって良い作用をするものだけではなく、中には毒になる菌も存在します。例えば、テタニ菌と呼ばれるものは「破傷風菌」であり、土壌中に芽胞の形で多く存在し、傷口から感染して強い痙攣を引き起こすものもあります。
一方で、クロストリジウム属の中には、ガン細胞を攻撃するものもあり、ガン細胞の中に入りこんで増殖でき、ガンの治療用のタンパク質を運搬する役割に利用できる可能性があり、実用化に向けた研究が進められているものもあります。
話を元に戻しますと、今回のクロストリジウム菌の中のクロストリジウム・ブチリカムという一般的に「酪酸菌」と呼ばれる菌株で酪酸を産生する細菌のことです。
クロストリジウム菌は酪酸を盛んに産生することによって、腸に集結する免疫細胞に「落ち着いて!」というメッセージを伝える役割を担っています。
クロストリジウム菌が産生した酪酸が、腸の壁を通って、腸の内側にいる免疫細胞に受け取られることによって、「Tレグ」という免疫細胞へと変身するのです。
Tレグは「制御性免疫細胞」の一種であり、数ある免疫細胞のなかでは、攻撃する役割ではなく、ブレーキ役の免疫細胞になります。
今回の番組のなかで取材された22歳のアスリートの女性や、多発性硬化症の患者さんに共通するのが、クロストリジウム菌が生み出す酪酸が腸内で不足することによって、Tレグを生み出す働きが弱くなっていると考えられています。
優良な腸内細菌を生かすのは健全な食生活

腸内の善玉菌が喜ぶ食べ物を摂る
今や、空前の健康ブームであり、当サイトのタイトルも「菌活」ですが、
「腸を健康にするために発酵食品や食物繊維を摂りましょう!」
と盛んに叫ばれています。
今回のように、NHKの番組にシリーズで取り上げられたり、他の民法テレビ局も菌活や腸活に関する企画を多数放映しています。
それを見るにつけボクが思うのは、正しい知識を理解したうえで正しく実践して頂きたいのです。
では、上でお話したようにクロストリジウム菌のような酪酸菌を産生することで、免疫細胞のTレグを生み出すために有効な食べ物とはどのような食べ物なのでしょうか?
食物繊維
食物繊維を摂りなさいと言われても、種類がありすぎて何を摂れば良いのかわからないという方は多いかと思います。
食物繊維と言えばほとんどの方が野菜を想像するようなのですが、野菜だけが食物繊維ではありません。実に様々な種類があります。

食物繊維の健康効果と有効な摂り方は、当サイト内の関連記事にリンクして飛んで頂ければ詳しい情報をご覧になることができますので、興味ある方はどうぞ覗いてみて下さい。
★関連記事:便秘のセルフケア|排便力をつけるのに有効な食材とその効果|食物繊維の栄養
和食を摂る
今、日本でアトピー性皮膚炎や花粉症、アレルギー性喘息などのアレルギー疾患は増加傾向にあります。
アレルギー増加の原因ははっきりとは明らかになっていないのですが、食の欧米化による食生活の変化がアレルギー増加の一因と言われています。
日本の食生活は戦前と戦後を境に急激な変化をしました。
戦前の日本は、野菜を中心とした食物繊維の豊富なものや、味噌や醤油などの良質な発酵食品や麹を使った地味な料理を普段から食べていました。

戦後、アメリカを中心とした西洋の食文化が入ってきて、私たち日本人の食文化は大変豊かなものとなりました。
ただ、同時に日本古来の和食である野菜中心の食事や、味噌や醤油の発酵食品を食べる機会は、無くなることはありませんでしたが、戦前に比べて大幅に減少しています。
日本人の腸にはもともと和食が合っているのです。和食によって長い間育てられてきた良好な腸内細菌のバランス、いわゆる「腸内フローラ」が食の変化に対応しきれずに、アレルギー疾患や自己免疫疾患などの「免疫の暴走」となって表れてしまっているのです。
★関連記事:【腸内フローラの強い味方】発酵食品で腸内環境を改善!和食のすすめと栄養効果
まとめ
冒頭でもお話しましたが、
もし、当サイトにきて頂いているあなたが何らかのアレルギーでお悩みであれば、食生活の改善から見直してみてはいかがでしょうか。
ボクも36歳の時にアトピー性皮膚炎を発症しました。近年はボクのように、子供の頃はなんともなかったのに、大人になってから発症する「大人アトピー」が増加傾向にあるようです。
アトピーにはずいぶん苦しめられましたが、食生活を中心とした生活習慣の改善で順調に完治に向かっています。
私たちの体は食べ物によって作られます。
時間をかけて悪化したアレルギーは、やはり時間をかけて良くしていくしかないのです。
あとがき
最近のNHKはずいぶん健康番組が多くなりました。
世の中の健康ブームによって、多くの視聴者の方が求めるものにうまく応えていかないことには、テレビ界も成り立っていかないのです。
NHKだけでなく、各社民放でも健康系の企画番組は増えています。
有効な情報を得て頂いて、健康に役立てて頂ければと思っています。
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